アートセレクション

ARTIST

アーティスト紹介

薄久保 香 Kaoru Usukubo

絵画
展示会場

掛川城御殿

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PROFILE

栃木県生まれ

2004年
東京造形大学造形学部美術科絵画専攻卒業
2007年
「Wandering season」個展TARO NASU(東京)
2010年
東京藝術大学大学院美術研究科博士課程美術専攻修了 博士号取得
2011年
「crystal moments」個展LOOCK(ベルリン)「輝くもの天より堕ち」taimatz(東京)
2011年
「横浜トリエンナーレ2011OUR MAGIC HOUR」横浜美術館(横浜)
2016年
「Kaoru Usukubo,Hannes Beckmann 」LOOCK Galerie(ベルリン)

パブリックコレクション:帝京大学(山梨)公益財団法人佐藤国際文化育英財団(東京)など

絵画とは、我々の世界に在る可視なもの、不可視なもの、または私たちの身体行為によって呼び起こされた思考運動そのものを、ある約束に則り「見えるようにしたもの」であると考えられます。近年の私の取り組みとは、ふだん視覚的には認識出来ない「意識/時間」を絵画の姿に翻訳し「見えるようにする」ことかもしれません。

ART WORKS

「Time of Blue」2014© Kaoru Usukubo 2016

キャンバス・油彩Oil on canvas 45.5x38cm

「AME」2015年© Kaoru Usukubo 2016

キャンバス・油彩Oil on canvas 162x130.5cm

INTERVIEW

掛川のまちの印象はいかがですか?
今は京都に住んでいるのですが、一番感じるのは、空気感の違いですね。もちろん地形の問題もあるのでしょうけれど、さわやかな風が吹き抜けていくのが印象的で、目に見えているもの以上に、温暖な気候や風に掛川らしさを感じています。掛川茶もすごく気に入りました。私のイメージする煎茶の理想の形に近く、目にあざやかな黄緑色をしていて、ご飯にもお菓子にも合う。いつでも飲めるので、毎日飲んでいます。茶エンナーレについては、掛川市にとっても新しい試みだと思うので、これからどうなっていくのか、私自身も非常に楽しみにしています。
今回の作品の構想を教えてください。
私の専門は絵画です。今回は、中国に起源を持ち日本の風物を表現する言葉「花鳥風月」をヒントに、そこに新たな解釈を用いて作品にしようかと考えています。たとえば「花・鳥・風・月」の「花」を、草や木と並んで普段目に見えているものから連想できる “自然”というくくりの具体的なモチーフと解釈する。そして「鳥」は、基本的に自分からは移動しない植物とは対照的に、自由に飛び回れるじゃないですか。そういう能動的な存在であるというのをすこし人間と関係づけて考えてみようかなって、思っているんですね。「風」は、その土地に住まう神様や精霊としての位置づけ。「月」はさらに広い意味としての人知を超えた存在や宇宙。そういった解釈を作品で表現できたらなと考えています。
その「花・鳥・風・月」の一つひとつの解釈は別々の作品、つまり連作になるのでしょうか?
いえ、一枚の作品の中で。わかりやすく言うと、目に見えることと見えないこと、相反することが一つになるというのを主題に、やってみたいなと思っています。ただ、それは私の中の解釈、思想的なものをふまえた上での花鳥風月を連想する作品なので、見た人が「これは花鳥風月だな」と思うような作品には、まったくならないかもしれません。
その作品を、掛川で展示する意義をどう捉えていますか?
せっかくこういう機会をいただいたので、掛川花鳥園を取材してみて、そこから得たヒントを作品に反映できればと思っています。私は作品をつくる上で計画を100%立てて実行していくタイプではなく、その場のライブ感というか、その土地にしかないものとか、偶然出会った人、偶然見つけたものを積極的にモチーフに取り入れたいなと思っています。そういった過程を作品から感じる人もいれば、分からないとおっしゃる方ももちろんいると思うんですけど、やっぱりプロセスの中では取材をしたりすることが大事なのかなと。
やはりこの土地でしか生まれない作品に仕上げたい、という思いがあるのでしょうか?
はい。でも、「こう見てほしい」というのは、あんまりないんですね。個人的には、ふだんホワイトキューブの中で展示することが多いので、掛川城御殿という書院造りのすばらしい建物の中で作品がどういう風に見えてくるのかがすごく楽しみです。作品は、作品そのものだけじゃなくて、周辺の環境との関係性によって相当見え方や印象が変わってくると思っているので、そこが一番ドキドキ楽しみな部分ではあります。見に来てくださる方も「よし、今日は、現代、アートを、見に行くぞ!」って気負うのではなく、アートのために出かけるというよりは、美味しいお茶をいただきながら、何となくいつもと違う風景がそこにあるくらいのつもりで、日常の延長線上で見てもらうほうが、何か見えてきたり感じたりできるのではないかと思います。
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