〈グループ幻触〉とは、1966~71年にかけて静岡県を拠点に活動した美術家の集団で、近年まで日本の美術界では忘れられた存在となっていました。主要メンバーは、飯田昭二、丹羽勝次、前田守一、鈴木慶則、小池一誠の5 名といわれています。
日本の戦後現代美術では、〈具体〉や〈もの派〉などの活動や動向が知られており、国際的にも評価が進んでいます。
特に〈幻触〉は、作品の傾向が絵画から平面に彫刻から立体に大きく変ぼうをとげた時代、戦後現代美術のターニングポイントとなったとされる〈もの派〉誕生の1960年代末に、日本の現代美術に少なからず影響を与えた活動の一つとして、近年、国内外でその評価が高まっています。〈幻触〉に関する調査・研究は、21世紀に入ると進み、国内では国立国際美術館や静岡県立美術館で、海外ではニューヨーク近代美術館(MOMA)などの展覧会で、〈幻触〉の人と作品と、〈幻触〉を理論的にリードしていった評論家の石子順造が広くとりあげられるようになりました。
また、〈幻触〉のメンバーは、最大時50名弱が参加していたとされており、掛川と縁のある作家(小池一誠、柴田隆二)や、「茶の木」を使った立体作品を制作した作家(長嶋泰典)もいました。(文責及び作品提供者:本阿弥 清)
40cm×40cm×40cm
(ミクスト・メディア) 竹、木、靴、鏡、顔料
66cm×39cm×6cm
板に油彩